日本版スチュワードシップコードについて

 定年度の生活をどのようにしてゆくのかと言う大きな課題をテーマに私共社会保険労務士事務所プラムアンドアップルは運営していますが、その課題の一つは定年後の生活の資金面での課題をどのように克服するかと言うことになります。

 公的年金を今後も仕組みとして継続的に維持してゆくためには、支給額の調整は避けられず、具体的には年々減額されることとなります。その対策として一般的には企業年金や個人年金で不足分をカバーすると言うことになりますが、海外年金の受給によりトータルでの年金受給額を増やすことも一つの方法だと思っており、私たち社会保険労務士事務所プラムアンドアップルでは海外年金に関する情報提供を行っています。

 一方で個人年金は、運用会社によって運用されておりその運用成績により配当額が決まってくるわけですが、だからと言って市場原理を無視して自分たちだけ儲かれば良いと言う運用方針は受け入れられません。そこでどのように運用してゆくべきかの行動指針が出ています。2010年にイギリスで出来たものを日本では金融庁が日本版スチュワードシップコードとしてまとめています。

 以下、金融庁からの提示です。 本コードにおいて、「スチュワードシップ責任」とは、機関投資家が、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解に基づく建設的な「目的を持った対話」(エンゲージメント)などを通じて、当該企業の企業価値の向上や持続的成長を促すことにより、「顧客・受益者」(最終受益者を含む。以下同じ。)の中長期的な投資リターンの拡大を図る責任を意味する。本コードは、機関投資家が、顧客・受益者と投資先企業の双方を視野に入れ、「責任ある機関投資家」として当該スチュワードシップ責任を果たすに当たり有用と考えられる諸原則を定めるものである。本コードに沿って、機関投資家が適切にスチュワードシップ責任を果たすことは、経済全体の成長にもつながるものである。

1. 機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、これを公表すべきである。

2. 機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反について、明確な方針を策定し、これを公表すべきである。

3. 機関投資家は、投資先企業の持続的成長に向けてスチュワードシップ責任を適切に果たすため、当該企業の状況を的確に把握すべきである。

4. 機関投資家は、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を通じて、投資先企業と認識の共有を図るとともに、問題の改善に努める べきである。

5. 機関投資家は、議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議決権行使の方針については、単に形式的な判断基 準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資するものとなるよう工夫すべきである。

6. 機関投資家は、議決権の行使も含め、スチュワードシップ責任をどのように果たしているのかについて、原則として、顧客・受益者に対 して定期的に報告を行うべきである。 7. 機関投資家は、投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解に基づき、当該企業との対話やス チュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備えるべきである。

2014年8月14日 | カテゴリー : 年金 | 投稿者 : naruse163