平成26年8月の月例経済報告が内閣府から発表されました。
月例経済報告では、概況に加えて 1.消費・投資等の需要動向、2。企業活動と雇用情勢、3.物価と金融情勢 そして4.海外経済の項目に分けて報告されておりますが、このホームページでは概況と海外事業に関連する輸出入および4.海外経済について取り上げます。
概況 -景気は、緩やかな回復基調が続いており、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動も和らぎつつある。- 先行きについては、当面、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動により一部に弱さが残るものの、次第にその影響が薄れ、各種政策の効果が発現するなかで、緩やかに回復していくことが期待される。ただし、駆け込み需要の反動の長期化や海外景気の下振れなど、我が国の景気を下押しするリスクに留意する必要がある。
1.消費・投資等の需要動向 輸出入について 輸出は、横ばいとなっている。輸入は、このところ弱含んでいる。貿易・サービス収支の赤字は、減少傾向にある。 輸出は、横ばいとなっている。地域別にみると、アジア、アメリカ及びその他地域向けの輸出は、横ばいとなっている。EU向けの輸出は、持ち直しの兆しがみられる。先行きについては、海外景気の底堅さ等を背景に、次第に持ち直しに向かうことが期待される。 ただし、海外景気の下振れリスクに留意する必要がある。 輸入は、このところ弱含んでいる。地域別にみると、アジアからの輸入は、横ばいとなっている。アメリカ及びEUからの輸入は、このところ弱含んでいる。先行きについては、次第に持ち直しに向かうことが期待される。 貿易・サービス収支の赤字は、減少傾向にある。 6月の貿易収支は、輸出金額は増加したものの、輸入金額が大幅に増加したため、赤字幅は拡大した。また、サービス収支の赤字幅は、拡大した。
4.海外経済 世界の景気は、一部に弱さがみられるものの、緩やかに回復している。 先行きについては、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、アメリカの金融緩和縮小による影響、中国やその他新興国経済の先行き、地政学的リスク等について留意する必要がある。 アメリカでは、景気は回復している。先行きについては、回復が続くと見込まれる。ただし、金融緩和の縮小による影響等に留意する必要がある。 2014年4-6月期のGDP成長率(第一次推計値)は、純輸出が減少したものの、個人消費が堅調に推移するとともに在庫が増加したことなどから、前期比年率4.0%増となった。 足下をみると、消費は増加している。設備投資は緩やかに増加している。住宅着工は持ち直しの動きがみられる。 生産は増加している。雇用面では、雇用者数は増加しており、失業率は低下している。物価面では、コア物価上昇率は緩やかに上昇している。貿易面では、財輸出は緩やかに増加している。 7月29日、30日に開催されたFOMCでは、中長期の米国債の購入ペースを毎月150億ドルに縮小し、住宅ローン担保証券(MBS)の購入ペースを毎月100億ドルに縮小することが決定された。さらに、政策金利を0%から0.25%の範囲で据え置くことが決定された。 また、資産購入プログラムが終了した後も、相当な期間、特にインフレ率がFOMCの長期目標である2%を下回り続けると予想され、長期的なインフレ期待が十分に抑制され続ける場合には、現在のフェデラル・ファンド・レートを維持することが妥当であるとされた。 アジア地域については、中国では、景気の拡大テンポは緩やかになっている。先行きについては、緩やかな拡大傾向が続くと期待される。ただし、不動産価格や金融市場の動向等によっては、景気が下振れするリスクがある。 韓国では、景気は内需を中心に持ち直しの動きが緩やかになっている。台湾では、景気は緩やかに回復している。2014年4-6月期のGDP成長率(前期比年率)は、それぞれ2.4%増、3.9%増となった。 ASEAN地域(インドネシア、タイ、マレーシア及びシンガポール)では、景気は総じて足踏み状態となっている。 インドでは、景気は底ばい状態となっている。2014年1-3月期のGDP成長率は、前年同期比4.6%増となった。 ヨーロッパ地域では、景気は、全体としては持ち直している。ドイツでは、緩やかに回復している。英国では、回復している。 先行きについては、持ち直し基調が確かなものとなることが期待される。 ただし、政府債務問題等への対応やその影響、失業率や物価の動向、地政学的リスクの影響に留意する必要がある。 ユーロ圏では、景気は持ち直しの動きが続いている。ドイツでは、緩やかに回復している。2014年4-6月期のユーロ圏のGDP成長率は、前期比年率0.2%増となった。生産、輸出は底堅い動きとなっている。 英国では、景気は回復している。2014年4-6月期のGDP成長率は、前期比年率3.4%増となった。 失業率は、ユーロ圏では高水準ながら緩やかに低下している。ドイツでは緩やかに低下している。英国では低下している。消費者物価上昇率は、ユーロ圏では低下している。英国ではこのところ横ばいとなっている。 欧州中央銀行は、8月7日の理事会で、政策金利を0.15%で据え置くことを決定した。イングランド銀行は、8月7日の金融政策委員会で、政策金利を0.5%で据え置くことを決定した。
以上の報告を見ても、世界経済が伸び悩んでいることが認識できます。BRICKSやASEANでの経済の停滞が顕著で、アメリカの景気が多少回復しているために、安定しているとも言えますが、世界各国の少子高齢化傾向は確実に進んて行くわけで、経済の成長が実現出来ていない事から発生する弊害や地政学的リスク(紛争問題)やエボラ熱と言った全地球規模のリスクが少しづつ大きくなってきて居ることが懸念されます。