Global Mobilityと言う言葉がありますが、どんな内容だと思われるでしょうか?
今日は、私なりの理解をまとめてみたいと思います。
この言葉は企業のグローバル化が進んでいる欧米企業社員の国際間移動と言う意味で使われ始めたと理解しており、いわゆる海外赴任者の赴任その物です。欧米企業の社員の場合、元々が終身雇用の前提が有りませんので、例えば本社のあるアメリカからアメリカ人の社員がアジアの国に赴任しても、赴任期間終了後本社に戻る社員の割合は高いとは言えず、国際間で赴任する社員を専門で扱う部門あるいはアウトソーシング企業が必要だったと言う背景があるのではと理解しており、それらのサービスがGlobal Mobility Serviceと呼ばれていたのです。もちろん企業に人事部門は有りますが、人事ではHuman Resource部門として人材管理の担当部門では有り、海外赴任者を取り扱う意味と必要性が無かったのではと思います。 この点が日本人赴任者とは全く異なる点で、日本企業の場合、日本から赴任した社員あるいは家族は赴任期間終了後は日本へ帰任するのが前提となっています。結果、帰任を前提とした社員の人事を人事部門が担当する事となります。結果として海外赴任者を取り扱う業務は、人事の仕事の一部として認識されており日本ではGlobal Mobilityと言う言葉はほとんど知られておりませんでした。ごく最近になって証券会社のディーラーその他海外間移動が前提となっている外国社員と日本人社員の区別のない社員を扱う企業やユニクロや楽天市場と言ったグローバル企業が欧米企業に同様の雇用形態を取るようになりGlobal Mobilityと言う言葉が使われ始めています。
以上の様に海外赴任者の海外移動をGlobal Mobilityと呼び、特に欧米には引っ越しから海外の異文化理解、異文化対応を含めた教育、ペットの国際間移動、赴任に帯同する奥様およびご家族のメンタルケア―から現地での再就職活動まで含めた広い範囲のサービスを行うGlobal Mobility Service Companyが数多く存在しています。赴任先国の就労ビザを取るイミグレーション、現地の社会保障制度加入関係についてもDestination Service(赴任先国でのサービス)に含んでいる会社もあります。
一方で、Global Mobilityと言う言葉が携帯電話、スマートフォンの移動体通信の世界で頻繁に使われるようになってきており、国際間移動体通信の意味で、Global Mobility が使われています。Intelでは、スマートフォンやタブレットと言った移動を前提とする機器用の部門を作っておりBusiness Mobility事業を拡大しています。
さらに、最近になりTOYOTAやその他の自動車産業がこのMobilityと言う言葉を使い始めており、自動車あるいはそれに代わる移動体を指し示す言葉としてMobility が使われ始めています。 Internetが1990年ごろから普及してきていると言う実績が有りますが、1980年代にイギリスにInternetと言う名前の会社があり、私のイギリス赴任時の友人が一緒に勤めていた会社を辞めそのInternet社に勤務していたことがありました。今そのInternet社がどうなったか、私の友人がどうしているかは不明です。
Global Mobilityと言う言葉は、企業のサービス名でありそれが全く異なる3つの産業で使われ始めたということは、それだけその言葉が今の世代のキーワードと認定されている事の証明だと思います。
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