事実上選挙は始まっていますが、社会保障は大きな争点となります。
そんな中で社会保障審議会の年金部会を傍聴しましたので、その内容を共有したいと思います。
第29回社会保障審議会 年金部会が開催されたのは11月19日、丁度イチョウ並木がきれいになっていた晴天の日でした。
第29回では大きな二つのテーマが討議されましたが、ここではGPIFのポートフォリオ変更について取り上げます。
新聞等で報道されていますが、GPIFでは運用している年金資金の運用ポートフォリオつまり、どこにどれだけの比率で分散投資するかと言う投資の方針を変更しました。
具体的には、以下の通りとなります。
この変更は、今後年金財政を考えたときに現在の国債に高い比重を置いた運用方針では年金支給財源が不足してゆくとの危惧から来ており、変更後のポートフォリオにより年1.7%の運用を目指すと設定した上での変更となります。
ただし、ここで問題になるのはリスクです。出席されていた有識者の委員の方からもその点に多くの質問が出ていました。国債についてはローリターンでは有りますが、ローリスクであり元本が減額になることはよほどのことが無い、ある意味では保証されていると言った投資先で有ります。一方で、ハイリターンを目指す株式投資ではリスクは高くなります。
GPIFでは専門家にその運用について委託をしており、その専門家からはリスクについて次の様な表が示されておりました。
運用予測については正規分布で示すことが出来、左側の斜線が入った部分が、名目賃金上昇率を下回るリスクとなります。ある程度リスクを冒さないと高い運用は目指すことが出来ない事は事実であります。
新聞やTVの報道でも、大衆の関心を煽るような見出しでの報道は有りますが、もう一歩あるいは二歩踏み込んで、リターンとリスクの関係をわかりやすく国民に伝えることをしないと、国民をミスリードするような気がします。国民もそのような報道を求める姿勢が重要だと考えます。
少子高齢化で財政的に難しくなる年金資金、この運用の具体的アクションはアベノミクスにも大きく関係してきます。どれだけの金額を具体的にどの株に投資するかは株価に直接的に影響するため、公開されておりませんが既にポートフォリオの変更は開始されており、それが今の株価上昇の一つの原因になっているのではと推測します。(この部分は社会保障審議会の中の話では有りませんが)
どうお考えになりますか?
詳細は、厚生労働省のホームページで、社会保障審議会、年金部会をたどり平成26年11月19日実施の社会保障審議会、年金部会の資料で読むことが出来ます。興味のある方は是非ご覧ください。